DEXCS2020 for OpenFOAM(R) リリースノート

解析シーン毎にTreeFoamのサブセット機能(グリッドエディダ等)を、FreeCADのツールボタンで起動できるようマクロ化してあります。

ダウンロードはこちら(2020/10/〜)



DEXCS for OpenFOAM(R) は、OpenFOAMと、これをより簡単・高度に活用できるようにする為の様々なツールをすべてインストール済のオール・イン・ワンパッケージで、誰でも(と言ってもCAEに無縁の人は対象外ですが・・・)簡単・即使えるようにしたマシンイメージ(isoファイル)です。

詳しくはこちら

DEXCSランチャーのヘルプメニューからも参照できます

DEXCS2020では、

  • ベースOSはubuntu-20.04.01 (LTS)
    • DEXCS2019まではubuntu-18.04系でしたが、メジャーヴァージョンアップです。
  • OpenFOAMやその他の組み込みツールのヴァージョンアップに対応
    • OpenFOAM-v2006
    • cfMesh v1.1.2 。

(cfMeshはOpenFOAM-v1712以降、modules としてOpenFOAM本体に組み込まれています)

  • ここまでは通常の毎年更新作業ですが、DEXCS2019からはDEXCSランチャーを仮想風洞試験という題材はそのままで、GUI操作方法を全く作り変えました
  • DEXCS2020では、これに少し機能追加したのと、ポータビリティを改良。つまり、これらはFreeCADのマクロなんですが、これまでDEXCS上でしか動作しなかったのを、DEXCSでない環境でも動かせる事を考慮したコードに書き換えています。まだ十分な動作確認まで至ってはおりませんが・・・
  • もう1点。TreeFoamがVer-3になって、python3で動くようになり、これにも対応した。
  • pyFoam は、OpenFOAM-v2006への対応はアナウンスされておりません。DEXCSランチャーやTreeFoamで使っている機能(pyFoamPlotWatcher.pyやFoamCleaCase.pyなど)についてのみ動作確認しており、その他の機能については動作未確認です。

インストールと利用法

詳しくはこちら(日本語と英語の切り替え方法も含む)

マシンイメージなので、DVDにイメージ書き込みすれば、DVDから起動してそのまま利用することができます。 (DEXCS初体験の人はこのライブDVDとして「まずは使ってみる」方法をお薦めします。)

  • 継続利用では起動後にインストール機能により、HDD等に直接インストールできる上、使用するユーザー名等を選択することができます。
  • VMWare Playerや、VirtualBox等の仮想環境で起動して、仮想環境を作成することも簡単です。
  • VirtualBoxにインストールする方法は、書籍「OpenFOAMによる熱移動と流れの数値解析」の付録AにDEXCS2015について詳しく記されていますが、基本は同じです。また、DEXCS2011までは、”Guest Additions”が入っておりませんでしたが、DEXCS2016では導入済みなので、共有ファイルの設定など(インストール方法メモの34〜36ページ)も同様に実施可能です。
  • 国際化対応のレベルはDEXCS2015に同じ(英語版のみに対応)ですが、日本語⇆英語のベース環境切り替え方法が、DEXCS2015に比べやや煩雑になっています。(インストール方法メモの8〜13ページ)
  • 一部動作に不具合が確認されています(インストール方法メの19ページ)。解決方法が見出だせませんでした。お判りの方、またこれ以外の不具合に気づかれた方はご連絡下さい。

同梱プログラム

その他のドキュメントについて

  • DEXCSランチャーのヘルプメニュー(上図)を参照下さい。
  • SLURMというリソースマネージャは今回もインストールしてありませんが、下記記事の方法によって追加インストールは可能(のはず)です。
  • JAVA gnuplot GUI の使用方法
    • http://dexcs.net/ocse2/?p=747
    • 上記記事で作成したプロジェクトファイルをケースファイルの在所を変えたり、別ケースで転用利用する際に、プロジェクトファイル中に記されているデータ在所(絶対パス名)を適合するツールを同梱しました。
  • 上記適合ツールは、DEXCSランチャーの左図ボタンにて起動します。⇒ 解説ページ
  • または、TreeFoam /十徳ナイフ /「汎用gnuplot-GUI(jgp)起動」メニューでも起動できます。
  • 但し、十徳ナイフ版では、実行時のダイヤログメッセージが日本語ではありません。

  • TreeFoamの基本的な使い方はTreeFoamのヘルプメニューから、「使い方」を参照して下さい。
    TreeFoamに関する情報は、DEXCS公式HPの AboutTreeFoamの記事にまとめてあります。
    DEXCS2020に搭載のTreeFOAMは、+dexcsSwakとして、上記公式ページに掲載ヴァージョンに対して独自のカスタマイズが加えてあります。

苦労譚

  • ParaViewビルド
  • FreeCAD AppImage版
  • FreeCADビルド版
  • リマスター容量の問題
  • /bin/sh の問題
  • VirtualBox Guest Additions

などなどありますが、近日中に書籍として上梓予定。DEXCS2019をベースとして書きかけ中のhtml版は特設ページにて公開中。書籍版は本DEXCS2020をベースに内容を更新作業中です。

jgpプロジェクトファイル適合ツール



DEXCS2019に新しく搭載したjpgプロジェクトファイル適合ツールについての説明です。

はじめに

jgp(JAVA gnuplot GUI)は、従来(DEXCS2012)からDEXCS for OpenFOAM に標準搭載されており、その使い方については解説ページにて紹介してあり、個人的にはよく使っているし、お客さんにも重宝してもらっているソフトです。

ただ上記解説ページにも記してあるように何かと注文の多いソフトですが、現時点でもいまだこれに優るGUIツールは見当たらず、開発元からの更新情報もなく、本体には手を付けられそうにないので、インタフェースで改良できないかという着眼です。

問題は何であったのか

さまざまなデータ系列に対して様々なデータ処理方法を定義しておいて、それらをプロジェクトファイルに保存しておける・・・という嬉しさがあるのですが、問題はこのプロジェクトファイルの使い回しが容易でないという点です。

たとえばOpenFOAMのケースフォルダ中でポスト処理をする際に、プロジェクトを保存したケースフォルダ内であれば、計算をやり直した際などプロジェクトを再読み込みして、簡単にグラフを書き直してくれるのですが、ケースフォルダ毎コピーした別名のケースフォルダや、ケースフォルダの名前を変えてしまうと使えなくなってしまうという点です。

課題と対策

その理由は、プロジェクトファイル中でデータファイルを絶対パス名で記録している為です。小職はこれまで、プロジェクトファイルを使い回しした場合に、このパス名をエディタで手修正して使っていたんですが、そろそろ堪忍袋・・・ということで、これを自動修正するスクリプトとして実装したものです。

補足・注意事項など

  • 使用方法は冒頭のムービーをご覧ください。
  • TreeFoamの「十徳ナイフ」⇒「汎用gnuplot-GUI(jgp)の起動」メニューから起動することもできますが、こちらはメッセージダイヤログの日本語表示が出来ていません。
  • OpenFOAMのポスト処理データ(postProcessingフォルダ中のデータファイル)を対象としており、そうでないデータに対しては何ら適合されません。