FOCUS by DEXCS その2

その1の記事を書いてから2年近く経ってしまいましたが、ようやくDEXCSらしい使い方が出来るようになりました。


%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_388

  1. マウント用の空フォルダ(focusServer)を選択(空フォルダであれば名前は何でも良い)
  2. 右クリック⇒ポップアップメニューの「sshfsサーバマウント」を選択
  3. マウントが完了すると、空フォルダに▼マークがつくのでこれをクリック⇒FOCUS上のファイル構造がツリー展開される(赤枠部分)
  4. 解析したいフォルダ(work/test)を選択し、解析ケースに設定。
  5. ポップアップメニューの「loginシェル起動」を選択すると、以下のターミナルが現れる。

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_370

所定のフォルダ(work/test)で所定(上の場合は2.4.x)のOpenFOAMコマンドを直ちに実行できるようになります。

バッチで実行中のジョブに対して、plotWatcherを起動して、下図のように計算の収束状況を確認する事もできます。

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_371

 

とはいうもの、FOCUSへの接続は、個別のカスタマイズが必要であり、その部分はユーザーが自身で設定していただくしかありません。また、ここを間違えると、やり直しもうまくいかないなどあったりするので、以下備忘録です。

 



 

必要な環境

準備するもの

  • 鍵交換方式を用いたSSH接続用の秘密鍵

設定(ローカルマシン)

  • ホームディレクトリ直下の.TreeFoamUser/data/sshfs_data の朱字部分を編集(TreeFoamを一度でも実行すればこのファイルが存在するはず)

    #
    # sshfsによるサーバマウント
    # ———————–
    # FOCUSの例
    #

    HostName ssh.j-focus.jp
    User ****0001

    #マウントするホスト側のdir
    # #/home1/<グループ名>/<ユーザ名>
    HostDir /home1/****/****0001

    #local側のマウントする場所
    #(TreeFoam側で設定する)
    MountPoint
    #
    # sshによるサーバlogin
    # ——————-
    # FOCUSの例
    #

    #サーバlogin
    login
    ssh ff01Focus #logon先(~/.ssh/configで定義)

    #login後の環境設定
    # サーバ側に「setEnviron」ファイルを作成する。
    setEnviron
    . ~/OF230terminal     #OpenFOAMの環境設定
    cd ~                                #currentDirectoryを設定(TreeFoamが書き換える)

    青字部分は、FOCUSへログイン出来るようになったら、各自の必要な環境に応じて書き換える。(通常は指定したファイルOF230tweminalは存在せず、何も組み込まれない)

  • ホームディレクトリ直下の.ssh フォルダを作成し、用意した秘密鍵(id_rsa)を収納。以下のconfigファイルも収納しておく。

Host FocusLogin
User ****0001
Hostname ssh.j-focus.jp
IdentityFile ~/.ssh/id_rsa
ServerAliveInterval 60

Host ff01Focus
HostName ff
User ****0001
ProxyCommand ssh FocusLogin -W %h:%p
ServerAliveInterval 60

  • 上記ファイルのパーミッションに注意。必要に応じて変更(下図参照)。

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_372

  • keyringに秘密鍵パスワードを登録する為、seahorseを起動する(以下はDEXCS2015 linux mint17のGUI操作イメージ)


%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_373


%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_374

+ボタンを押すと、以下のメニューが現れる

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_375

Secure Shell Key を選択

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_376

名前は何でも良い

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_377

ここで入力するパスワードは何でも良いが、もう一度聞かれるので間違いなく入力すること。またちゃんと記憶しておくこと。

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_378

FOCUSのサーバーアドレスとログイン名を入力

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_379

ここで入力するパスワードは秘密鍵を作成する際に使用したパスワード

 

  • とりあえず、コマンドラインにて、FOCUSへログイン出来る事を確認。

custom@custom ~ $ ssh ff01Focus

と入力してみる

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_387

上記ダイヤログが現れるので、ここで最初に入力したパスワードを入力すれば・・・

The authenticity of host ‘ff (<no hostip for proxy command>)’ can’t be established.
RSA key fingerprint is 6c:09:02:57:8f:4b:03:17:00:0a:dd:9f:39:d4:33:45.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes
Warning: Permanently added ‘ff’ (RSA) to the list of known hosts.
Last login: Tue Sep 20 17:22:57 2016 from ***.***.4.11
[****0001@ff01 ~]$exit
logout
Connection to ff closed.
custom@custom ~ $

となってFOCUSのフロントエンドサーバーに、「秘密鍵のパスワードを入力しないで」接続できた! ということです。

  • これにて本記事冒頭のTreeFoamでFOCUSサーバーをマウント/アンマウント出来るようになる。但しログインシェル起動は、このままでは単にFOCUSのフロントエンドサーバーに接続できるというだけで、冒頭のような使い勝手を実現するには、以下のFOCUSサイドでの環境設定が必要。

 

設定(FOCUS)

  • TreeFoam上で、FOCUSサーバーのマウントポイント(focusServer)をダブルクリックすると、ファイルマネージャが立ち上がり、以下のように表示される。但しフォルダーの名前はあくまで筆者の環境であり、ユーザー毎に異なっているのは当然ですが、setEnviron という見慣れないファイルが存在しているはずです。
    %e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_389
  • このsetEnvironをダブルクリックしてテキストエディタで調べると、

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_390

となっており、これは設定(ローカルマシン)の最初に説明した.TreeFoamUser/data/sshfs_data の最下2行で定義された内容(最下行はログインシェルが起動されたフォルダ名に変更されている)になっており、TreeFoamが作成したものです。

  • ここでたとえば、以下のような内容

#!/bin/bash
# OpenFOAM terminal
#

module load gnu/openmpi165
unset FOAM_INST_DIR
source /home1/share/openfoam/2.3.0/gnu/openmpi/OpenFOAM-2.3.0/etc/bashrc

. $WM_PROJECT_DIR/bin/tools/RunFunctions

echo “set OpenFOAM-2.3.0 environment.”

OF230terminalというファイルを作成し、ホームフォルダ直下に収納しておけば、OpenFOAMの2.3.0の環境が組み込まれることになる。OpenFOAMの用途(ヴァージョン)に応じて、この内容を書き換えるなり、別のファイルを使いたい場合は、.TreeFoamUser/data/sshfs_data の下から2行目を変更する、

  • 但し、このsetEnviron ファイルが自動作成出来たとしても、このままではこの環境は組み込まれない。組み込む為にはもう一工夫必要で、たとえば。.bash_profile ファイル中の最下行に、以下のように記述しておくのが一案です。

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_391

 

  • これにて、TreeFoam上のwork/testにて右クリック⇒ポップアップメニューからログインシェルを起動すれば、以下のような端末が現れるようになる。

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_392

プラスアルファ

以上で基本的な設定は完了ですが、このままだとFOCUS上のファイル構造をツリー展開するのに、結構な待ち時間が生じてしまってイライラさせられます。実はこれに対する対策もすでに実現済みですが、TreeFoam本体の改良が必要で、その更新正式版が出来たら・・・ということで。

最後に

本記事の冒頭あたりに記したように、手順を間違えたりすると、keyringがうまく動いてくれない事がよくあって手こずりました。その際に参考になるかもしれない情報を以下に掲載しておきます。

  • keyringがうまく動かない場合、TreeFoamを起動した際の小さな端末上で、秘密鍵のパスワード入力待ち状態だったりします。%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_393

この場合は、その端末上でパスワードを入力してやれば、とりあえずマウントしたりすることは出来るようになります。

  • 上記方法にて、FOCUSへログイン出来ておれば、seahorseの設定を再度やり直してうまく動くようになる場合もありました。ローカルマシンの.sshフォルダは以下のようなファイル構成になっているはずですが、known_hosts を削除してやり直すとうまく動くようになる場合もありました。

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_394

  • 近日公開予定のDEXCS2016(Linux mint 18)では、seahorseの起動メニューが異なる

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_367

ばかりでなく、デフォルトでkeyring そのものを自動起動させる一手間も必要でした(DEXCS2016では組み込み済です)。

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_396

%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_397%e7%af%84%e5%9b%b2%e3%82%92%e9%81%b8%e6%8a%9e_398

リマスターツールのあれこれ

そろそろDEXCS2016を考えねば・・・なんですが、毎度悩むのはリマスターツールをどうするかっていうことです。

先のオープンCAE2016講習会では、DEXCS2015をベースに、DEXCS2016に搭載予定のDEXCS独自ツール(FreeCADのカスタマイズとマクロツール)を組み込んた特別版を使用しましたが、システム構築においてリマスターの不具合が講習の数日前になって発覚して、システム再構築を余儀なくされ、受講者にも多大なご迷惑をおかけすることとなった。さらに講習本番においてもwinkツールが動かないなど一部不具合が見つかった。

そこで、講習会が終わって、再度リマスターツールの動作検証を始めたというか、本来こうなるはずであったDEXCS2015特別版をつくり直そうと思ったのですが・・・ますます悪化の一途。結論は

blacklabimagerは1回こっきりでないと使えない

リマスターして作ったisoイメージにはリマスターツールも同梱されているので、原理的には孫やひ孫のisoイメージも作成できることになるんですが、孫のisoイメージを作成する際に、何も追加しなかったとしても子供のisoイメージと同一にはなってくれなくて、どんどん巨大化していくようです。今回作成したのは、孫のisoに少しだけツールを追加したものですが、ひ孫のisoイメージでは4GB超!となり、さらにその子供は7GB超!となってしまいました。

 

復活? remastersys

あれこれ探しているうちに、実は、昔使っていたremastersys がこっそりと復活している!という情報を発見

ubuntuのレポジトリリストだったが、mint17(ubuntu14.04)で動作確認OK.オープニングの選択画面の背景イメージは昔のままのものが出てきました!

し、しかし・・・

ようやくリリースされた、mint18(ubuntu16.04)では、

以下のパッケージには満たせない依存関係があります:
remastersys : 依存: xresprobe しかし、インストールすることができません
E: 問題を解決することができません。壊れた変更禁止パッケージがあります。

ひょっとして、mintの問題か?と思い、純正ubuntu 16.04 でも試してみたが、全く同じ症状。 話が違うじゃん!

うーん、と諦めかけていたが、もうひと頑張り。純正ubuntuでも動かないとなれば、きっと情報もあるはずと、Remastaesys does not work に辿り着いた。何気に読んでいくと、まだ1週間ばかり前の書き込みだったが、

 

Pinguy Builder

なるものがあるという。早速インストールしてみたが、問題なくインストールも出来て、isoイメージの作成もこれまでとほとんど同じ。オープニング画面に至っては、ああ懐かしい!remastersysyの前だったかなぁ?

範囲を選択_999(385)

DEXCS2015 for OpenFOAM(R) でSalome-Meca

先日(4/9)岐阜のオープンCAE勉強会にて、質問がありました。表題の環境にて、Salome-Mecaをインストール出来たものの、ジョブのSubmissionに失敗するとの事でした。

そこで、昨日のオープンCAE勉強会@広島にて、Salome-Mecaの講習会があったので、その場にてこの現象を確認、併せて以下の方法にて対処できることが判ったので、ここに記しておきます。

メニューで、Aster – Current study case – Edit を選択(下図、赤矢印部分)。

2016-04-17_0711

または、Asterモジュールを選択して、右クリックメニューからEditを選択(下図、赤矢印部分)

2016-04-17_0713そうすると、以下のパネルが現れる。
2016-04-17_0639

赤矢印部分、Interactive follow up のチェックマークを外す。⇒OKボタンを押す。

以上で、ちゃんと動くようになるはず。お試しあれ。

mixingElbow

先日(2016/3/11)のオープンCAE地方(長野)講習会での演習アイテムの一つに表題モデルの作成方法がありました。

このモデルは、OpenFOAMでは著名なサイトに紹介されているもので、FreeCADでの3Dモデル作成方法についても公開されていますが、講習で使用したDEXCS2015 for OpenFOAM®に搭載したFreeCADでは使えない機能があったので、講習会では代替方法を説明しました。

その後、DEXCSユーザーさんで困っている人がいるかもしれないかと思い、この演習部分だけですが要領を取り纏め公開しました。 ⇒ slideshare資料

ただ、その後の更なる調査によって、上述の問題はFreeCADの本質的なバグではなく、設定上の問題である事も判ってきたので、ここに対処方法を記しておきます。

設定の問題

メニューの「編集」⇒「設定」⇒標準(出力ウィンドウ)にて、

設定_494

上図、赤の矢印で示した部分にチェックマークを入れて、最下段「OK」した後、FreeCADを終了。再立ち上げすると問題は生じなくなります。

 



 

ひとりごと・・・

Python出力のレポートビューへのリダイレクトの有無によって、何で挙動が変化するのか意味不明・・・というか、やっぱバグじゃない? という気もするが、結果オーライということで。

上記の設定で対処できるとなったら、slideshare資料の公開は意味あるのかなぁ?・・・という感はありましたが、3D-CADの作成方法は必ずしもいつもベストの方法があるという訳ではないので「こういうやり方もある」の一例として公開する事としました。

 

FreeCAD FEM ワークベンチ


先の記事にて、表題の挙動が怪しいと記しましたが、その後の調査で依然不明点はいくつかあるものの、ある程度使えそうと判断するに至ったので、新たに判明した点と併せて、ここにまとめておきます。

計算例

とりあえず、このくらいの計算は、ちゃちゃっと出来そうです。

範囲を選択_101

同じ題材(パンテオン神殿)を使って、Salome-MecaとAdventureを比較した約4年前の記事がありましたが、あれらに比べて遜色ないというか、GUI操作は格段に楽チンです。いくつか課題もありますけどね・・・

Verの問題

このFEMワークベンチは、まだまだ開発途上のようです。件の書籍では、現時点の正式版(Ver-0.15)をベースの記事でしたが、簡単なモデルならともかく、上記例題のレベルになると、簡単に昇天してしまいます。⇒Pre-release版の使用を強く推奨します。本記事で使用したヴァージョンは以下の通りです。

Windows版、Linux-Mint版ともに 0.16-6420 (2016/2/12)

Mac版については検証していません(出来ません)ので悪しからず。

Linuxにおける問題

Linux版は、拙作のDEXCS2015 for OpenFOAM(R)の仮想マシンにて検証していますが、上記ヴァージョンの問題以前に、Calculixを自前でインストールする必要がある事が判明。当初、先達の経験談を聞いたり、自分でもCalculixのインストールガイドを読んで・・・諦めかけていたのですが、FreeCADのFEM Install というページがあって、Ubuntu系であればパッケージインストールも出来る事が判って即採用⇒OKでした。
コマンド端末にて、

sudo apt-get update

sudo apt-get install ccx

sudo apt-get install freecad

と入力すれば一発OKなんですが、あくまでコマンド入力は駄目!という人向け、GUI(パッケージマネージャ)を使ってやる方法は、こちらを参照。

また、DEXCS2014 (ubuntu 14.04 LTS)をお使いの場合には、

sudo add-apt-repository ppa:freecad-maintainers/freecad-daily

と、レポジトリを追加する必要があります。

 

使い物になる!と思った点

CAE教育を主用途として開発し、拙が共著「はじめてのオープンCAE」に同梱の「DEXCS2010 for Adventure」がありまして、本格的なCAE(弾性解析だけですが・・・)を簡単に使えるという意味で、これまでこれを超えるものは存在しないと自負しておりましたが、本ツールを使えばもっと簡単に出来そうです。特に優れていると感じた箇所は2点。

  1. 境界条件設定が楽チン
  2. 固有値解析も出来る

特に拘束面を指定する操作は、CADモデルを直接対象として、Faceレベルで区分けが出来てさえいれば、ほとんどストレスなく操作できます。強いて言えば、さすがに広い範囲の面を指定すると、負荷になる(待ち時間が長くなる)ようなので、複数面指定の際には、広い大きな面は一番最後に指定する事くらいでしょうか。

また、固有値の計算結果例を以下に掲載しておきます。

範囲を選択_102

 

 

ざっくりとした操作手順

まずは形状データ(入手先はこちら)のインポート。

範囲を選択_078

ワークベンチを切り換えます

範囲を選択_079

モデル②を選択して「解析ケース作成」ボタン③Fem Analysis.svgを押します

範囲を選択_080

デフォルトのままでもメッシュ作成は可能ですが、本例の場合は、①2次要素のチェックマークを外し、②をデフォルトの「中程度」から「細かい」レベルに変更しました(理由は後述)。

範囲を選択_081

約5分ほど待って、メッシュ完成です。

範囲を選択_082

問題なければ「OK」ボタンを押します。

範囲を選択_083

次に、「拘束面作成」ボタンFem ConstraintFixed.svgを押して拘束面を設定します。

範囲を選択_084

3D画面上でマウスを移動すると、選択候補面がベージュ色に変わるので、固定したい拘束面が選択できたらクリック。⇒選択済の部分は赤いピンのようなマークが付与されます。場所を変えて、続いてクリックしていくだけで複数箇所を設定できます。

範囲を選択_085

全部選択できたら、「OK」ボタンを押して完了。この場合は、パンテオン神殿の接地面をすべて固定拘束しています。

範囲を選択_086

続いて、「荷重設定ボタン」Fem ConstraintForce.svgを押して、設定メニューを起動します。

範囲を選択_087

拘束の場合の時と同様ですが、複数面に設定したい場合は、その都度「参照を追加」ボタン①を押す必要があります。また荷重方向は、「方向」ボタン③を押してから、3D画面上で方向に相応するエッジを選択します。

設定が終わったら、「OK」ボタン④を押して完了。

範囲を選択_088

最後に、「材質設定」ボタンFem Material.svgを押して、材料定数の設定メニューを起動します。

範囲を選択_089

「素材」のプルダウンメニューにて・・・

範囲を選択_090

下の図はLinux版の場合。Windows版では、こんなに多くない。

範囲を選択_092

下図には直接見えていませんが、縦スクロールバーにて、最下部にヤング率、ポアソン比、材料密度の具体的な値を確認でき、直接変更も可能です。⇒問題なければ「OK」ボタンを押す。

範囲を選択_093

以上で、解析条件が全て整ったので、「計算実行」ボタンFem NewAnalysis.svgを押します。

範囲を選択_094

まずは「Write .inp file」のボタンを押して、Calculix計算用の入力ファイルを作成します。

範囲を選択_095

入力ファイルが出来上がると、「Edit .inp file」「Calcuilx を実行」ボタンが使えるようになります。

範囲を選択_096

「Calcuilx を実行」ボタンを押した後、この問題では約1分後、計算終了で、下記のようなメッセージが出力されます。

範囲を選択_097

「Close」ボタンを押す。

範囲を選択_098

最後に、「結果表示」ボタンFem Result.svgを押して、計算結果を可視化します。

範囲を選択_099

表示したい変数(変位または応力)を選択するだけです。

範囲を選択_100

 

 

FEMツールバー

FreeCADのヴァージョンアップに伴って、FEMツールバーも大きく変わりました。

  • Ver-0.15

範囲を選択_103

  • Ver-0.16

範囲を選択_104

追加されたボタンは、いくつかありますが、

  • Fem ConstraintPressure.png 圧力を設定
  • 範囲を選択_105 強制変位を設定

あたりは、すぐにでも使えそうなボタン。但し、強制変位指定は少し怪しい。

その他、

  • Fem BeamSection.svgビーム要素設定
  • Fem ShellThickness.svgシェル要素設定

や、また、従前からの謎のツールボタン

  • Fem ConstraintBearing.svgベアリング拘束
  • Fem ConstraintGear.svgギア拘束
  • Fem ConstraintPulley.svgプーリー拘束

などあって、どうやって使うのか・・・今後の調査がお楽しみ・・・です。

 

とは言え、

課題もいくつか

ありそうなので、以下に記しておきます。

  • 計算結果の再読み込みは出来るのか?

計算の終わったモデルをファイル保存して、FreeCADを終了。FreeCADを再立ちあげして上記モデルを読み込むと・・・メッシュや拘束条件、結果はモデルツリー上に残っているが、FEMツールバーが有効にならず、結果を表示出来ない?!

範囲を選択_106

MexhanicalAnalysisのタグを選択してマウス右クリックすると・・・

範囲を選択_107

Activate analysis がありました! ⇒ これにて結果表示がOKとなります。

  • メッシュ作成ダイヤログの疑問

メッシュ作成ダイヤログはデフォルトで、

範囲を選択_109

通常は、上部の3項目(最大サイズの指定、2次精度のチェック有無、細かさ指定)で事足りる。ただNetgenを使った経験上、細かさの程度に応じて、見え消しになっている「増加率」や「・・・セグメント数」が変わったという記憶なんだが、これらの数字が、細かさの程度を変更しても変化しない。メッシュそのものは確かに変わっているので、この数字が連動していないということのようだ。

「細かさ」をユーザー定義にすれば、これらの数字を直接変更できるので、問題があるということではないのだが・・・

範囲を選択_110

  • メッシュ作成の成功/不成功問題

ここに取り上げたパンテオンの問題では、メッシュパラメタによっては、メッシュが出来なくて先へ進めない場合もあれば、メッシュは出来たものの、いざ計算実行するとエラーで止まるという状況もあった。問題は後者で、エラーメッセージは以下のようなもの。

*ERROR in e_c3d: nonpositive jacobian determinant in element 132183

これって、メッシュを作成した時点で検出できないのかしらん?・・・と思ってはみたものの、根っ子は深そうで、FreeCADのフォーラムでも何かと話題になっているようです。⇒解決策があるのかないのか?・・・自分の英語力では理解不能でした。

  • 拘束や荷重条件の表示問題

拘束面には赤い画鋲のようなマーク、荷重面には赤い矢印マークが表示されるが、そのサイズが解析モデルの大きさに対して、なんともアンバランス。

解析モデルとして角柱の片持ち梁を想定、角柱のサイズを変えたらどうなるかを比較表示してみた。

範囲を選択_111

範囲を選択_114

範囲を選択_115

角柱の長さとして、上から順に10,100,1000 mmと変えてみた。

拘束や荷重マークのサイズが一定の大きさになっているわけではないようだが・・・お粗末ですね。

もっともこれらは、Ver-0.15の場合。最新版(Ver-0.16)ではもう少し改善されて、

範囲を選択_112

範囲を選択_113範囲を選択_116

という状況。3つのサイズの順番はVer-0.15で比較したのと同じ。

なんとか、許容レベル・・・かな?

 

パッケージマネージャの使い方

Synapticパッケージマネージャを起動します。

範囲を選択_064

①再読み込みしてから、「ccx」にて②クイック検索し、表示されたccxを③選択、マウスボタンを右クリックで、④インストール指定を選択。

範囲を選択_072

関連パッケージも併せて追加

範囲を選択_073

「適用」ボタンを押す

範囲を選択_074

範囲を選択_075

範囲を選択_076

ccxが緑色になってくれれば、めでたくインストール完了。

範囲を選択_077

また、DEXCS2015 for OpenFOAM(R)に搭載したFreeCADもそのままではヴァージョンが古くて使い物になりません。これもパッケージの最新版を再インストールが可能でした。

範囲を選択_067

何故か、「再インストール指定」のメニューは有効になってくれなかったので、まずは「削除指定」です。

範囲を選択_068

削除出来たら、今度は「インストール指定」

範囲を選択_069

範囲を選択_070

範囲を選択_071

FreeCADの起動はこれまで通り

範囲を選択_065

ヴァージョンの確認

範囲を選択_066