OpenFOAMによる熱解析の基礎講座 ~1人1台PC実習付~

講習テキストより

表題の講習会を、来る4月3日に東京、JTC(日本テクノセンター)で実施します。有料で、個人で受講するには、約5万円と少々お高いですが、興味のある方は受講下さい。 ⇒ セミナー申し込みページ

内容は、熱解析の具体例サンプルを同梱したDEXCS for OpenFOAM(R) の特別版を使用して、拙事業で実施している、OpenFOAMの初心者向け体験コースをベースに、この熱解析事例を併せて実習できるようにしたものです。

冒頭のイメージは、テキストの一部を抜粋したものですが、熱解析の事例としては、ヒートシンクをとりあげ、製品カタログに示された実測値との比較も実施しています。

撹拌層のメッシュ作成(追加情報)

先に表題のメッシュ作成法につき取り纏めました。その中で、「フィーチャーエッジの作成方法やメッシュ制御点の設定方法については別途資料を参照下さい。」としてありましたが、それだけの情報では判らないというご意見を頂いたので、ここに補足しておきます。

メッシュ制御点の設定方法

  • メッシュ制御点は3Dカーソルを使って設定します。3D画面上でマウスの左ボタンをクリックする都度、3Dカーソルの位置がクリックした場所に変化するはずです。
  • この3Dカーソルの位置を、メッシュ作成したい領域の内部に配置します。
  • 下図のように、視方向を変えて、内部にあることを確認します。

  • ①3Dカーソルの位置が確認できたら、②Set locationInMesh のボタンを押して完了です。

フィーチャーエッジの作成方法

  • 上の状態(オブジェクトモード)から、「特徴を抽出」のボタンを押すと、下図のように編集モードとなって、抽出された輪郭線がオレンジ色表示されます。

  • featureAngle の数字を変更すれば、抽出される輪郭線が異なってきます。ここは試行錯誤して下さい。
  • 所望の輪郭線が抽出されたら、Feat.level を指定(デフォルトは0)して、Mark as Level # のボタンを押します。(#の部分はFeat.levelの数字に相応して変化します)

  • Feature settings ブロックの最下段に、「#キー」という表示が現れたら、設定完了です。
  • ちなみに、モデル表示をオブジェクト状態にしておいて、この「#キー」部分をクリックすると、モデル表示が上図のように編集モードに変更されて、「#キー」に相応する輪郭形状を確認することもできます。

DEXCS2012 for OpenFOAM(R) リリースノート

DEXCS for OpenFOAM(R) は、OpenFOAMと、これをより簡単・高度に活用できるようにする為の様々なツールをすべてインストール済のオール・イン・ワンパッケージで、誰でも簡単・即使えるようにしたマシンイメージ(isoファイル)です。

DEXCS2012では、OSやOpenFOAMのヴァージョンアップに対応、初心者向けのランチャーをより簡単にするとともに、DEXCS2011から搭載するようになった中級者向けツールの機能強化を図りました。

インストールと利用法

詳しくはこちら

  • マシンイメージなので、DVDにイメージ書き込みすれば、DVDから起動してそのまま利用することができます。 (DEXCS初体験の人はこのライブDVDとして「まずは使ってみる」方法をお薦めします。)
  • 起動後にインストール機能により、HDD等に直接インストールできる上、使用するユーザー名等を選択することができます。
  • VMWare Player等の仮想環境で起動して、仮想環境を作成することも簡単です。
  • 基本的に、DEXCS2011でやった方法と同じですが、同じやり方が通用しない部分が一部あるので、DEXCS2011の利用経験者はご注意のほど。

同梱プログラム

OSはLinux Mint13

といっても、ベースはUbuntu-12.04なので、アプリケーションのインストール方法などは、ubuntuのそれと全く同じです。違うのはデスクトップのGUI環境だけです。

標準のターミナル、ファイルマネージャ、テキストエディタがubuntuとは異なりますが、DEXCSランチャーやTreeFoamは、ubuntuの標準ツールを使用することを前提に作られているので、ubuntu互換ツールとして起動できるようにしてあります。

その他のドキュメントについて

  • DEXCSランチャーのヘルプメニューを参照下さい。
  • 本当に初めて使う人は、「ランチャーの使い方」-「まずは使ってみる」をご覧下さい。
  • 「ランチャーの使い方」-「形状作成」にて、Swiftツールの使い方を概略説明しています。
  • 「ランチャーの使い方」-「メッシュ」「計算実行」「結果処理」を理解できるようになると、OpenFOAMの基本的なファイル構造を理解できたことにもなります。
  • 以上は動画チュートリアルになっていますが、「フラッシュプレーヤー」を変更して参照することを強くお勧めします。変更方法は、最下段の「フラッシュプレーヤーの変更方法」をご覧ください。
  • Swiftツールのより実践的な使用方法は、以下の講習会資料をご覧ください。
  • JAVA gnuplot GUI の使用方法

 

DEXCS2012 for OpenFOAM(R) Winkチュートリアル その3(改)

チュートリアルはこちら

前回の記事で紹介したチュートリアルその3ですが、記事の中で今後の予定とした、snappyDictExporter.pyの改良版が出来上がってしまったので、チュートリアルもこれを使う部分は変更(上のイメージ図参照)せにゃならんかった・・・ということです。

設定した解析フォルダの下、
mesh/constant/triSurfaces
フォルダー内にある、stlファイルを認識しています。

従来

ファイルのサイズを見て、Regionデータなのか、
Surfaceデータなのか略判定していますが、
現在のsnappyHexMeshDictの記述内容を
表示しているものではありません。

改良版

本ケースの場合は、すべての形状データが
snappyHexMeshDictの中で使用されており、
その設定パラメタも反映されています。

使用されていないものがある場合、
ファイルのサイズを見て、Regionデータなのか、
Surfaceデータなのか略判定します。

それにしても、この改良版は、なかなかいい。使い物になりそうです。ただ、あまり型破りなDictに対してまで、動作保証の限りではありませんが・・・

何はともあれ、この改良版と、チュートリアルを組み込んだライブDVDの焼付けを本日発注いたしました。これを使って、来る12/14(金)オープンCAEシンポジウム2012のOpenFOAM講習会です。

DEXCS2012 for OpenFOAM(R) Winkチュートリアル その2と3

DEXCS2012からは、ランチャーでメッシュ作成する際にSwiftツール使う方法を採用することとした為、これまでのやり方とは大きく変更になります。ようやくチュートリアルも出来たのでここに公開です。

その2(Swiftツールの使い方)

その3(メッシュ作成)

  • Winkチュートリアルはこちら
  • 従来は、メッシュ1(blockMesh作成)とメッシュ2(snappyHexMesh作成)の2つのタグメニューを使ってやっていましたが、一つのタグメニューの中でやれるようになりました。
  • SwiftSnapでは現在のところ、cellZone指定できないという問題もありますが、DEXCSツール(snappyDictExporter.pyの改良版)で補完する方法についても解説しています。

今後の予定

  • winkチュートリアルとしては、残り2つ。計算実行の部分と後処理の部分ですが、これらは従来のやり方とほとんど変更はない為、いよいよゴールは見えてきた・・・の感です。
  • その他、Blenderの画面やメニューが、従来と大きく変更になったいる為、使用法マニュアルも更新する必要がありそうです。
  • snappyDictExporter.pyの改良版ですが、上記用途(SwiftSnapの不足機能補完)に使えるべく、必要最小限は実装できているのですが、もう1点改良したい部分(対象ケースのsnappyHexMeshDictファイルから、細分化パラメタを読み込む機能を実装すること)があり、これをどうするか思案中。(2012/12/7 実装はほぼ完了)