DEXCS2012 for OpenFOAM(R) 幻(?)のデスクトップ

コンサルの仕事もひとつ片付いて、ようやくDEXCS2012 for OpenFOAM(R)の本格開発に着手しました。

関西の勉強会にてアナウンスした、これまでの構想をおよそ盛り込んだシステムの外部仕様というか、ユーザーインタフェースが固まったので、ここに紹介しておきます。

 

デスクトップ画面

  • DEXCS2012のアイコンと壁紙は、つい最近公開されました。
  • 但し、一般的なフォルダーやゴミ箱のアイコンは変更になる可能性があります(理由は後述)。なので、表題の「幻(?)」ということになっています。

DEXCSランチャー

  • 従来、メッシュ1/メッシュ2 と2つのメッシュ作成タブがありましたが、今回からはSwiftツールの導入により、1つに統合。⇒よりシンプルになった(と思う)。

TreeFoam+dexcs十徳ナイフ

  • 十徳ナイフで実装していた機能のうち、TreeFoamで実現できない部分のみ、サブメニューから実行できるような仕組みを考えました。

 主要な同梱プログラム

補足

  • OSのLinux Mint について見慣れない人もいるかと思いますが、基本的な部分は従来のUbuntuと同じです。
  • なので、OpenFOAMのインストールなどは、Ubuntu用に公開されている方法をそのまま使えます。
  • 何が違うかというと、Ubuntuに、デスクトップ周りに関して、別のパッケージを追加したものと言ったほうが良いかもしれません。
  • Ubuntuは当初、Windowsと類似のデスクトップ環境だったのが、だんだんと独自色を強めてまいりました。
  • そしてUbuntu11.10以降のデスクトップが問題だったのです。確かに画面のデザインが洗練されてきていることは認めるにしても、どうにも使いにくくて仕方ありません。少なくともCAEをやろうとする人間からみて、Ubuntuの方向性は違うとしか言いようがない。
  • 確かにWindowsが決して洗練されているとは言わないですが、まだ「まし」というものです。
  • Mintは名前の示す通りの配色が特徴的というだけで、デスクトップのメニューやウィンドウ操作など、Windowsユーザーにとっては非常に馴染みやすいものがあります。
  • なので、DEXCS2012 for OpenFOAM(R) では、これまでのUbuntu路線から、Mint路線への転換を図ることとしました。
  • 但し、Mintと一口に言って、ひとつだけの顔でなく、MATE, Cinnamon,Xfce といったいくつかのエディションがあって、微妙に操作方法やメニュー構成が違ったりしている。
  • これらのエディションのうち、当初は個人的な好みに合いそうなものとしてXfceを採用して日本語化を含めカスタマイズしたのが、ここに公開したデスクトップイメージです。
  • しかし、さてアルファ版を限定公開でもしてみるかとなって、Mintの配布条件を調べると、ここで問題発覚!

NO codecsと示されているDVDイメージ以外は、特許で保護されているコーデックやDVDのCSSを回避するlibdvdcssを含んでいる。日本国内での配布は、特許法や不正競争防止法に抵触するので注意が必要である。

ウィキペディアより

  • No codec版は、MATEだけなので、Xfceは配布に問題ありということです。なので、「幻(?)」という次第です。

OpenFOAM初心者向け体験コース

OpenFOAMの初心者向けに体験コースを企画しました。

DEXCS2011 for OpenFOAM の特別版を使用して、約6時間の講義と実習です。

以下はDEXCS2011をベースとした説明になっていますが、現時点の最新版にて実施予定です。

狙い

OpenFOAMを含めてオープンCAEはコストフリーで導入できますが、活用するには使用者の自助努力が欠かせません。本コースを受講することにより、

  • OpenFOAMの機能の概要が理解できる
  • 実用レベルの解析が簡単にできることを体験できる
  • より高度な活用に向けての勉強方法、情報ソースがわかる

ことで、自助努力をやってみよう!・・・という気持ちになってもらうのが狙いです。

カリキュラム

  1. OpenFOAMの概要(20分)
    • 歴史、機能
  2. DEXCS for OpenFOAM の体験1(60分)
    • ランチャーを使った仮想風洞試験の演習体験
  3. DEXCS for OpenFOAMの概要(30分)
    • DEXCSの狙い、DEXCSとOpenFOAMの関係、DEXCS for OpenFOAMの仕組み
  4. OpenFOAMの基礎知識概要(60分)
    • 計算手順、メッシュ、パラメタファイルの構成、チュートリアルケースの仕組み
  5. DEXCS for OpenFOAM の体験2(2.5時間)
    • 簡単なモデル変更・メッシュ作成の演習
    • TreeFoam+dexcs十徳ナイフを使ったチュートリアルケースの演習
  6. 今後の活用に向けて(30分)
    • DEXCS for OpenFOAMの実践的な活用法と、OpenFOAM 関連の情報ソース紹介

内容の一部紹介

パワーポイント資料全249ページの縮刷版をダウンロードできるようにしておきましたが、受講者には2イン1のハンズアウトが配布され、基本的には本テキストに沿った説明になります。

実習部分が約150ページあります。縮刷版(16イン1)では詳細まで解像できないのでわからないかもしれませんが、講習を受けた後で、このテキストを見ながら自力の演習も出来るような内容になっています。

必要環境

【実習に必要なWindowsマシン】
CPUはPentium4以上、メモリー2GB以上

(メモリー1GBでも動作しますがスペース不足で十分な実習が出来ません)

DVDドライブがあり、ブート順序がDVD優先になっていること。

(既存のOS、HDDは使用しません)

申し込み方法(法人様、講習会)

費用や実施方法に関するお問い合せは、パートナーとなっている有限会社イワタシステムサポートさんにお問い合わせ下さい。

 

申し込み方法(個人、その他)

OCSE^2は個人事業主ですが、直接取引可能な人は、問い合わせフォームをご利用下さい。

 

講習テキスト原本(PDF)とisoイメージ(32bit/64bit)

講習を受ける時間がとれないという人向けには、近日中に有料(¥3,000程度)にてダウンロード出来るようにする予定ですが、いつになるのかはお約束できません。

テキスト原本(pdfフルサイズ、約35MB)と、DEXCS2011 for OpenFOAM(R)特別版のisoイメージをご希望の方は、以下のフォームをご利用下さい。

折り返し送金先をお知らせします。入金を確認次第手配(DL先URLの連絡又は郵送)いたします。

 

[contact-form-7 id=”2161″ title=”OpenFOAM初心者向け体験コース”]

 

回転円筒容器内の水面挙動(その2)

回転円筒容器内の水面挙動に関し、MRFInterFOAMを使った層流計算の結果を以前に報告しましたが、今回は乱流モデルを入れたらどうなったかについて報告します。

ご覧のように、前回の結果に比べて、かなりそれらしい結果になってくれるようになりました。

ちなみに、回転速度を変化させた場合の中央断面図を以下に示しますが、回転角速度(Ω)が大きくなるにしたがって、水位の上昇も大きくなっていることが読み取れます。

 

但し、この値が定量的に理論値通りになっているかというと、そうではなく、かなり小さな値になっている点と、表面に定在波ができて、その回転方向が容器の回転とは逆方向になっている点など、本当にそうなるのかな? と思われる疑問点もありますが、メッシュやスキームを変えたらどうなるかなど、つきつめようとすると大きな検証課題になりそうで、ここでは、ひとまず打ち止めとしておきます。

興味のある方は、今回もケースファイル(rotatingCylinderRAS)を公開しておきますので、自由に改変して調べてみてやって下さい。

もっと色んなケースやパラメタ変更した計算をしたいなどのご要望があれば、こちらで請負計算なり、お客さんが自分で簡単にやれるようにランチャーをカスタマイズするなり、有料コンサルとして対応させていただきます。

 

ケースファイルの変更概要

前回の層流計算用のケースファイル(rotatingCylinder)に対する変化点を赤枠で示しておきます。両者を見比べれていただければ違いは説明するまでないと思いますので、ここでは省略します。

計算時間

前回と同じように、容器中の定点にて、速度や圧力をモニターして準定常状態になるまで計算を続行しました。下の図はΩ=21.0の場合の履歴です。前回は、Ω=5.25にて約400secまで計算を続行しましたが、本例では回転角速度が4倍になったので、現象の計算時間を1/4としました。総回転数を合わせたことになりますが、本例ではもう少し短い時間で十分だったかもしれません。

ちなみに、本例での計算時間は、単体で約4時間でした(計算環境は前回に同じ)。

FreeCADのあれこれ

先日のオープンCAE初心者勉強会にて、FreeCADの講習会があったことについて記しました。ただ題材が拙宅ブログの記事を取り上げるとあったので、自分の勉強というよりはボランティアの仕事になること覚悟して参加してきたんですが、現地で実際に皆さんとの会話の中で、あれこれ知らなかったことも話題になって、その場で調べてもらえたりして勉強にもなりました。

freeCADとFreeCADは違う?

freeCAD http://www.ar-cad.com/freecad/
というのもあって、こちらは複雑な形状設計ツールというよりは、モーションデザインが主眼のようです。

画面の背景色を変更する方法

Edit - Preferences - Display (Colors)

余談ですが、個人事業を始めるに際して、名刺を自前でデザインしたました。ロゴの意味はすでに記しましたが、上段部分の配色の背景色が、FreeCADのデフォルトそのまんまです。本当は、配色を変えたかったのですが、その時点で変更方法がわからず、やむなくでした。


一方、名刺の中央に配した水色のロゴ2で背景色が白色になっているのは、ロゴをstl形式でエクスポートして、ParaViewで読み込んだものをキャプチャーしたものです(ParaViewの背景色を変える方法は知っていたので)。よく眺めれば、stlに特有の面分割を見てとれると思います。
この背景色を変える方法を知っていたら、こんな回りくどい方法はやらずに済んでいたのでした。

その他、自宅へ帰ってから上記メニュー回りで再発見。知らなかった機能についても記しておきます。

マウスの操作方法は好みに応じて選択可能

Edit - Preferences - Display (3D View)
 3D Navigation Mouse

stp、iges形式へエクスポートする際の寸法単位は(メートル、ミリメートル)変更可能

Edit - Preferences - Part design (General)
 Export

但し、このメニューは、Windows版にはないかもしれない。

ヴァージョン問題

以前にも記したが、FreeCADはヴァージョンやベースOSの違いによって、細部の機能がかなり異なっている。上に記した Edit – Preference にて現れる画面も、こちらで確認した限りで以下のような違いがあった。

⇒なので、皆さんの環境には当てはまらないかもしれません。その際には悪しからずです。

Mint12(64bit版)



Ubuntu10.04(64bit版)

 

Windows(32bit版)