FOCUS by DEXCS その1

FOCUSとは

産業利用目的の公的エントリー・スパコンで、初期費用は1万円かかるけど、かなり安価な従量制で、使わなければ一切費用は不要というシンプル利用体系になっていることから、拙事業(OCSE^2)でも大規模計算のコンサル用途に契約することと致しました。

但し、基本的に法人契約しか受け付けてくれないというので、パートナーであるイワタシステムさんの名前で契約して、OCSE^2はその下請けということになってますが・・・

問題は、リモートアクセスで色んな操作をすることになるので、当然、端末を使ってコマンド入力になる。しかも公開されているマニュアルにはWindowsマシン(拙事業ではプレゼン用のノートパソコンしか無いのです)で操作することを前提に、teratermを立ちあげて・・・となっており、こりゃアカン・・・で、表題のFOCUS by DEXCS です。

 

 

狙い

本当はDEXCS on FOCUS、つまりFOCUSスパコンにDEXCSをインストールして解析(ケースファイル操作)したい所ですが、FOCUSのシステムにはアンタッチャブルなので、手元(ローカル)のDEXCSマシンで(リモート)FOCUSスパコン上の解析コントロールが出来るようにしよう・・・ということで、FOCUS by DEXCS です。

懇親会の立ち話などで、すでに一部の人にはアナウンスしておりますが、来年リリース予定のDEXCS2015 for OpenFOAM(R)では、FOCUS対応とすることを予定しており、本記事が第1報ということになります。

本記事では、それを実現する為のもっとも基本となる技術としてDEXCSマシンからFOCUSにログインして、FOCUSのファイルシステムをマウントする方法が判ったので、ここに備忘録がてら記しておくこととします。

 

 

FOCUSにログイン

するには、鍵交換方式を用いたSSH接続と、SSL-VPN接続がありますが、ここでは前者(SSH接続)の方法です。ここは普通に、コマンド端末を開いて、以下の赤字部分を入力。

custom@custom:~$ ssh-keygen -t rsa
Generating public/private rsa key pair.
Enter file in which to save the key (/home/custom/.ssh/id_rsa): ←Enterキーを押す
Enter passphrase (empty for no passphrase): ←パスワード入力
Enter same passphrase again:←パスワード入力
Your identification has been saved in /home/custom/.ssh/id_rsa.
Your public key has been saved in /home/custom/.ssh/id_rsa.pub.
The key fingerprint is:
69:f3:c0:48:da:40:76:69:5e:6b:2e:13:7d:6c:2e:5a custom@custom
The key’s randomart image is:
+–[ RSA 2048]—-+
| o .. |
| o .o . |
| .o.o o |
| =oo+.+ |
| . o+S+ |
| o.E+. |
| = .. |
| . |
| |
+—————–+
custom@custom:~$

そうすると、ホームディレクトリ下、.ssh という隠しフォルダが出来て、その中に、

custom@custom:~$ ls .ssh/ -l
合計 8
-rw——- 1 custom custom 1766 11月 28 18:33 id_rsa
-rw-r–r– 1 custom custom 395 11月 28 18:33 id_rsa.pub

id_rsa と、id_rsa.pub という2つのファイルが出来るので、このうちの公開鍵(id_rsa.pub)をFOCUSのセンター側へ送って登録してもらっておく。ここまでが事前準備。

公開鍵が登録されたら、

custom@custom:~$ ssh -Y -l hoge0001 ssh.j-focus.jp
The authenticity of host ‘ssh.j-focus.jp (114.179.35.249)’ can’t be established.
RSA key fingerprint is 1d:e9:17:12:8c:bc:70:09:7a:54:0a:5c:91:df:8d:9b.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes
Warning: Permanently added ‘ssh.j-focus.jp,114.179.35.249’ (RSA) to the list of known hosts.
Enter passphrase for key ‘/home/custom/.ssh/id_rsa’:←パスワード入力
Last login: Fri Nov 28 11:24:30 2014 from af230188.dynamic.ppp.asahi-net.or.jp

[hoge0001@login2 ~]$

青字部分はFOCUSに登録されたユーザー名になります)

これでログインサーバーに入れたことになるので、以下

[hoge0001@login2 ~]$ssh ff

にてフロントエンドサーバーに入って、普通に操作することは可能になります。但し、もちろんの事、コマンドライン入力になります。

あと、ファイル転送ソフトは使えるので、ファイルマネージャを使って操作すること(付録にて後述)は可能ですが、残念ながらこれが出来てもTreeFoamで操作することは出来ません。

 

 

FOCUSのファイルシステムをマウントする

には、もう一つツール(sshfs)をインストールする必要がありました(参考にした情報はこちら

範囲を選択_543

これをインストールしてから、端末で以下入力します。

custom@custom:~$ cd Desktop/
custom@custom:~/Desktop$ mkdir focus
custom@custom:~/Desktop$ sshfs hoge0001@ssh.j-focus.jp:/home1/gwgs/hoge0001 ./focus
Enter passphrase for key ‘/home/custom/.ssh/id_rsa’:←パスワード入力
custom@custom:~/Desktop$

こうすると、Desktop上にfocusというフォルダが出来て、範囲を選択_544

ファイルマネージャからもちゃんと見れるようになります。もちろんフォルダー名や作成場所は任意です。TreeFoamからもちゃんと見ることが出来、

範囲を選択_545

GridEditorの起動も確認。但しデータの読み込みで通信時間がかかるので、立ち上がりが遅いのは仕方ないところでしょうね。

範囲を選択_546

あまり意味のない事かもしれませんが、DEXCSマシンのOpenFOAMを使って計算することも可能でした。

今後

当然のことながら、 FOCUSスパコン上のOpenFOAMを使って計算できるようにしないと意味がありません。それが出来るようになったら、本稿で記したコマンド操作などを一括で実施するスクリプト作成、といったところでしょうか。

なお、FOCUSスパコンのジョブ管理システムはSLURMで、これはDEXCS2014 for OpenFOAM(R)にも搭載してあるものです。したがって、いきなりの本番計算でなく、手元のDEXCSマシンでバッチスクリプトの動作確認をしてから、という使い方も出来そうなので、そのやり方をまとめたいと思っています。

また、FOCUSよりもAWS(Amazonクラウドサービス)じゃない?・・・という声も聞こえてきそうなので、そちらもやってみたいとは思っております。

 

 

付録–ファイルマネージャでマウントする方法

範囲を選択_531

上図のように、ファイルマネージャ①を起動し、サーバーへ接続②をクリックします。範囲を選択_537サーバーアドレスを入力する欄が出て来るので、ここ(上図赤枠部)に

sftp://hoge0001@ssh.j-focus.jp

青字部分はFOCUSに登録されたユーザー名になります)

と入力し、「接続する」のボタンを押す。範囲を選択_536

そうすると、パスフレーズを入力するよう促されるので、暗号鍵を作成する際に使ったパスワードを入力し、「接続する」ボタンを押せば完了です。

範囲を選択_539