サーバールームの熱流れ解析

OpenFOAMのユーザーグループにて投稿された記事にて、表題の解析をする為のモデル作成法についてのQAがあり、基本的に直交格子で作成できるとはいえSwiftBlockではハードルが高い・・・とのコメントがあったので、ここにサンプルケースを作成し公開することにしました。

サンプルケース一式
実行方法は、解凍して出来るフォルダ中の、memo.txt に記してあります

1. serverRack フォルダにて
SwiftBlock→write(constant/polyMesh/blockMeshDict作成)
blockMesh の実行

2. roomRack フォルダにて
SwiftBlock→write(constant/polyMesh/blockMeshDict作成)
blockMesh の実行

3. serverRack フォルダにて
$ mergeMesh . ../roomRack
(mergeMesh の実行)
serverRack/1/polyMesh を、
serverRoom/constant の下に移動またはコピー

4. 7_serverRoom フォルダにて

$ ./makeCyclic.sh

constant/polyMesh/boundary を手修正

fanOut
{
type cyclic;
nFaces 192;
startFace 100156;
matchTolerance 0.0001;
neighbourPatch fanOutRoom;
}

… など

モデルの概要

  • 簡単の為、サーバーラックは1セットだけです。

メッシュ作成方針

サーバーラックの内部と外部に分けて、別々にメッシュ作成し、あとでそれぞれのメッシュを結合することとしました。

領域別メッシュ作成と結合方法の概要

  • serverRackと、roomRackというフォルダ中に、blenderで作成しSwiftBlock定義したモデルがあるので、これらを起点としてblockMeshDictを作成、blockMesh実行し、メッシュ作成、結合(mergeMesh)します。
  • 結合したメッシュを、7_serverRoom/constant の下に置いて、結合面処理(stitchMeshやcyclicBaffle作成)します。

SwiftBlockモデル作成手順の概要

  • モデル作成は基本的に、グリッドを押し出していくだけです。
  • ある程度Blenderの操作に習熟すれば、作成には30分もかからないと思います。

結合面の処理方法

  • 単純にmergeMeshしただけでは、ラックの出入り口がつながったことにはならないので、stitchMeshコマンドで、これらを結合します。
  • fanOutの流出口ではcyclic fan 特性を付与したいので、stitchしたメッシュから改めてfaceSet作成⇒baffle作成し、cyclicFace化します。
  • ちなみにOpenFOAM-2.1以降であれば、cyclicAMIが使えるので、単に通気性を付与するだけならstitchMeshは不要ですが、cyclicAMI+cyclicFan は使えないようなので、cyclicFanにしたい部分はstitchMeshするしかないようです。

境界条件

計算結果

補足というか、そもそもの作成動機

  • 012/6/9に、オープンCAEワークショップ2012の講習会Aにて「SwiftツールによるOpenFOAM®用メッシュ作成」を実施しましたが、その中で、SwiftBlockの実習は、「第16回オープンCAE初心者勉強会(夏合宿)」にてやるとアナウンスしてありました。
  • そこで本ケースをその題材に出来ないか・・・ということでした。
  • メッシュ作成自体は、OpenFOAMのユーザーグループの投稿記事を見てすぐに、実に簡単に出来ていたのですが、メッシュの結合処理やらcyclicFanの設定法やら調べるのに手間取って、ようやく今頃になって公開ということです。
  • 実習用の仮想マシンとテキスト(上記講習会でやったものに、約40ページ追加されることになる)もほぼ出来上がって、この部分の実習時間は1時間程度と予定しております。
Share

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください