3Dプリンター雑感

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これまでオープンCAEを、ものづくりツールとして位置づけて取り組んできたOCSE^2ですが、本当のものづくりに、より近づく為のツールとして3Dプリンターがあり、最近ではホビー用であれば10万円以下の値段で個人でも入手可能になってきたので、拙個人事業主も導入いたしました。

上の写真は、導入してから約2週間かけて、あれこれ試作した結果ですが、使ってみて判ったのは、まだまだパソコンに繋げばすぐに使えるという代物ではないということ。苦労譚やらTipsがたくさんありそうなので、少しずつアップしていこうと思っています。

ちなみに、導入したマシンは、da Vinci 1.0で、すでに1年以上前にリリースされた製品。そこそこにまとまったレビュー記事もいくつかあって(その1その2)全体的な感触を得るには、そちらの記事を見てもらった方が良いと思うし、使い方ノウハウ的なところも、個人ブログでいくつか先人様の記事(その1その2)があるので、ここでは、こういった情報からは得られなかった情報とか、OCSE^2の本業であるオープンCAEに関連して、3Dデータ作りという視点からの情報発信としていく予定です。

 

パソコンに繋げてすぐに使える代物?

プリンタ本体が入荷したのは3月。上に記した参考記事を読む限りだと、簡単に使えそうな印象でしたが、パラパラとマニュアルを眺めたり、メーカーのHPのサポートページにあったチュートリアルビデオを見ていると、パソコンに繋げてすぐに使える代物ではなさそうな感触もあったので、実際に、セットアップに着手したのが、まとまった時間のとれそうな5月の連休でした。

ただそうなると、この連休の間はメーカーの電話サポートもお休み中で、トラブルがあっても自力解決するしかなく、そのトラブルの原因が、通常では問題の生じないファームウェアのインストールと、(出荷時に調整済であったはずの)キャリブレーションが必要であった、という事だったので、自分の場合は運が悪かったとしか言いようが無かったかもしれません。

 

ファームウェアのインストールの問題

とりあえず、付属ソフトをインストールして、プリンタをセットアップして、かねてから用意してあった3Dデータ(冒頭、中央写真のOCSE^2のロゴマーク)を印刷!・・・までは、比較的順調に行ったのですが、途中でエラーで止まってしまったんだったか、ノズルから樹脂が出ていないままの状態で無駄に空プリントしてるだとか・・・今となっては、どういう順序で何が起きていたのか記憶はあやふやですが、とにかくやたらエラーでピーピー鳴る事しきり。ノズルが詰まった事が原因かと、何度もクリーニングしたりの見当外れの対策でまるっと一日。

自前のデータをプリントするんでなく、パソコンと接続しないで、プリンタ本体に用意されているデモデータであれば、問題なくプリントは出来そう、という感触を得て、そういえば、ソフトをインストールした時に、何かメッセージが出ていたような・・・に思い当たった。

インストールをやり直したところ、ファームウェアをインストールした時点で、ウィルス対策ソフトがウィルスと認識して、ファームウェアの一部分が除去されてしまっていた事がわかった。ウィルス対策ソフトを一時的に無効にしてインストールをやり直して、ようやく解決。以後、エラーは出なくなった。

なお、後日談があって、5月の中頃に、ファームウェアのアップデート版がリリースされたようで、自動アップデートでインストールしようとするものの、今度は、ウィルス対策ソフトを一時的に無効にしても駄目。この時点ではサポートに連絡できたので、問い合わせてみたものの、有効な解決策は得られず。まぁ、アップデートしなくても、特に困る事は無さそうだから・・・と放置。この記事を書き出した本日になって、念の為にと、もう一度やり直したら、今度はすんなりとアップデート完了。この間、Windows本体とウィルス対策ソフトの更新があったので、何が原因だったのか、まぁ、良くわからんですわ。Windowsの世界だからね。

 

キャリブレーションの問題

ファームウェアの問題が解決して、ようやく、そこそこにプリント出来るようになったものの、どうにも形状が崩れる。プリント品質の問題なのか、ラフトとかサポートとかのオプション(最初は何の事だかさっぱりわかんなかった)もあって、色々試してみたものの、大差なし。いくらホビー用だからって、それはない筈・・・って事で、たどりついたのがキャリブレーション。マニュアルには工場出荷時に調整済なので・・・とあったが、念の為にこれをやってみると、全く範囲外のエラー!そもそも台座の調整ネジが完全に緩んでいたので、さもありなんであった。

まぁ、これを調整してエラーのない状態に持っていくしかなかったんだが、この調整にかなり手間がかかりました(2日目のメイン作業)。3つのネジの位置で、台座の高さと水平を出すようにするんだが、ネジをどちらに回すと高くなる/低くなる、測定点の数値とネジ位置の関係とか、一応マニュアルには書いてあるんだが、なかなか実感できない。まぁ、とりあえずネジを動かしてみて、結果を見てからフィードバックしようというやり方になってしまうんだが、何せ、プリンタヘッドや台座を暖めた状態でキャリブレーションする必要があるので、1度測定するのに10分くらいかかる。その結果を見て、すぐに再調整すれば、次の測定は比較的短く済むのだが、少し放っとくと冷めてしまうので、といった次第。

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上の写真は、上述のセットアップが終わって、2つ目の作品(iPhoneのケース)を作成中(というか、作成完了時)の状態です。本記事の冒頭に掲載したオレンジ色の前のヴァージョンで、最初は収縮率など現物合わせするしかないので、あれこれ試作したのと、樹脂フィラメントも付属の白色しかなかったので、それを使って作成していた時のものです。まぁ、これで軌道に乗ったか・・・と思われた。

3Dデータの問題?!

次なる問題は、上にも記した後日(5月中旬)の事でした。プリンタソフト(STLデータから、3Dプリンタ用のスライスデータに変換するソフト)のアップデートがあって、これを実施したら、変換がおかしくなってしまったのです!上の写真のノートパソコンに表示されている、青い形状がスライスデータなんですが、旧ヴァージョンでは問題なく元データを再現してくれていたのが、新ヴァージョンだと、どうにも再現してくれなかったのです。

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  • 3Dデータ(↑)FreeCADで作成しました。

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  • 3Dプリンタ用スライスデータ

これは、きっとソフトのヴァージョンアップに問題があるに違いない!再現できるので、サポートに連絡して、データを見てもらったところ・・・

STLファイルに不可視な欠損がある場合、スライス後に欠損が可視化し
スライス後の形状が変わる場合がございます。

弊社で使用しておりますデータ補正用のフリーソフトがございますので
お試しいただければと存じます。

http://www.3ds.co.jp/netfabb/

お手数をお掛けしますが、よろしくお願い申し上げます。

以上、どうぞよろしくお願い申し上げます。

という回答。ナヌ?で、ここでまた一つ勉強させてもらう事になりましたが、長くなるので、続きはまた後日。

 

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